看護師のためのトラブルと法的知識

実習と個人情報の保護(記録やメモの取り扱い)

個人情報保護法の施行に伴い、実習記録やメモの取り扱いを

厳重にする必要があります。

 

病院から持ち出さないのがベストかもしれませんが、
学生の学習のためには、自宅での学習も必要です。

 

氏名や生年月日、住所などは匿名化した状態で持ち歩く場合、
どこまで許されるのでしょうか。

 

また、実習終了後の実習記録の取り扱いは、
どのようにすべきなのでしょうか。

できるだけ個人を特定する情報を削除すること、
持ち出す際にはルールを決め、
このルールを教員が責任を持って学生に守らせることが必要です。

 

@ 学生の義務と識別情報の削除

 

実習でも、患者さんの個人情報を守ることは、いうまでもありません。

 

ですが、個人情報保護のルールは、
実習記録にどのように当てはめられるものなのでしょうか。

 

個人情報保護法2条1項には、「個人情報」の定義が規定されています。

 

まず、氏名や生年月日、住所などの識別情報を記載しないことが重要です。

 

しかし、もし実習生が院内で記録等を落とせば、
これらを記載しなくても、疾患名などから患者さんが
特定されることも考えられます。

 

つまり、できるだけ個人情報を識別する情報を削除しても、
個人が特定される場合もありえます。

 

十分な取り扱い、安全管理の配慮を行うことが重要です。

 

 *個人情報保護法2条1項

 

  生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、
 生年月日、その他の記述等により特定の個人を識別することが
 できるもの(他の情報を容易に照合することができ、それにより
 特定の個人を識別することができることとなるものを含む)をいいます。

 

A 個人情報取り扱いの際の具体的な工夫

 

ある大学医学部付属病院では、「看護記録等を含む個人情報資料は、
原則としてスタッフステーションなど、特定の診療関係者しか
立ち入らない場所以外には持ち出さない。特に、院外には絶対に
持ち出さない。持ち出す必要が生じた場合は、個人を同定できる
情報は削除、又は塗りつぶす等して、万が一病院外で盗難、紛失
な度しても絶対に個人情報が流失しないようにする。」と決めています。

 

これはとても厳しいルールですが、
各実習現場での参考となるでしょう。

 

たとえば、最低限院内のもち歩きをゆるしたとしても、
これを所定の場所以外で見ることは禁じ、
終了後は所定の場所に保管すること等を考え、
原則として院外へ持ち出さない等と考えることが大切です。

 

また、「個人情報資料は、カンファレンス等で使用後、
不要となったらただちにシュレッダーにかけて破棄する、
使用後も部屋に放置したり、ポケットに入れて持ち歩いたりしない。」
というように工夫することも必要でしょう。

 

実習終了後の取り扱いについても、
学生に渡すときには、多くを塗りつぶすことが必要です。

 

このような対応は、実習の実行性を考えると厳しい対応のようですが、
患者さんの医療情報というセンシティブな情報を扱う者として、
学生にも高い配慮が求められます。

 

それを理解するように導くことこそ、
学生の教育であるといえます。