看護師のためのトラブルと法的知識

学生と個人情報(テストの返却)

看護学校において、テストでは模範解答の掲示のみを行い、

テストは返却しないところがあります。

 

この場合、希望者には点数のみ結果を伝え、再試者は出席番号を
教室内に張り出します。

 

このような方法は、個人情報保護法で問題となるのでしょうか。
また、改める必要があるとすれば、どのように改めるべきでしょうか。

教育目的との関係における教員の裁量の範囲です。

 

@ 教育目的と個人情報保護

 

看護学校において、テストを返却するか、
テストを返却せず、模範解答を配布するかどうかについては、
教育目的との関係における教員の裁量の範囲です。

 

ただし、答案用紙は個人情報なので、
個人情報保護法25条により、
一定の条件を満たさなければ、開示請求を拒むことはできません。

 

個人情報保護法には、開示を拒める場所が規定されていますが、
このケースはどれにも当てはまりません。

 

 *個人情報保護25条1項ただし書き

 

  次の各号のいずれかに該当する場合は、その全部又は一部を
 開示しないことができる。

 

 一. 本人又は第三者の生命、身体、財産その他の
   権利利益を害する恐れがある場合。

 

 二. 当該個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に
   著しい支障を及ぼすおそれがある場合。

 

 三. 他の法令に違反することとなる場合。

 

A 出欠番号と個人情報

 

出欠番号が個人情報に該当するかですが、
文部科学省の指針解説では、以下のようになっています。

 

『氏名のようなそれだけで特定の個人を識別できる情報だけでなく、
生年月日、住所、電話番号、電子メールアドレス、印鑑の印、
性別、学籍番号、学校の成績、人物評価、科目別履修表のような
特定の個人の属性や所有物、関係事実等を表す情報であって、
それらの情報とその個人の氏名等とが容易に照合できる結果、
特定の個人を識別することができる情報は、すべてこれに該当します。』

 

つまり、出席番号も個人情報に該当します。

 

法は、好評と承諾のいずれかを求めているに過ぎませんが、
指針では両者を求めているため、
このケースのような目的として、出欠番号を使用する際には、
あらかじめ目的を好評し、承諾を得ることが必要です。

 

ただし、出席番号や学生番号などは、このケースのような
呼び出し等の業務に用いられることが、
学校教育には当然に予定ないし期待されており、
親と学生もこれを承知しているとすると、
黙示の承諾があると考えられます。

 

つまり、このケースのように、出席番号を表示することは、
教員の裁量の範囲です。

 

 *文部科学省の指針解説(学校における個人情報の保護について)

 

  文部科学省「学校における生徒等に関する個人情報の適正な
 取扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指令
 (平成16年11月11日文部科学省告示第161号)および「学校
 における生徒等に関する個人情報の適正な取扱いを確保するた
 めに事業者が講ずべき措置に関する指針」解説(平成17年1月)
 をさんこうにしてみてください。